『私たちJCUEは、ダイビングの安全や環境教育に取り組み、NPOとしての活動が15年を超えました。
そこでダイビング業界に輝かしい功績を残し、現在もまだまだたくさんのチャレンジをされている先輩方のお話を、インタビューでお伺いする企画をスタートしました。

第2回は、中村宏治さんをお招きし、山中会長がお話を伺いました。

中村宏治さんは、水中撮影と海洋生物研究の権威、益田一氏に師事され、伊豆海洋公園をベースに海を学ばれ、NAUIインストラクターとして活動されました。
その後、日本水中映像(株)を設立され、写真家として国内外で水中撮影に携わり、多くの映像作品を手がけられ、テレビや雑誌などでも活躍されています。

中村宏治さんとの対談を、お楽しみください。

目次

中村宏治(なかむら こうじ)さん プロフィール

1947年、東京生まれ。学生時代に水中撮影と海洋生物研究の権威、益田一氏に師事。
伊豆海洋公園をベースに海を学ぶ。24歳でNAUIインストラクター試験に合格。30歳で日本水中映像(株)を設立。
あらゆる分野の水中映像で、多くの作品を手がける。
海外でも1982年にナショナル・ジェオグラッフィック・マガジンの「The Lost Fleet of Kublai Khan・佐賀鷹島」の撮影を担当。その他、カナダ人映像アーティストGregory Colbertによる水棲哺乳動物をテーマとした芸術映像展示「Ashes and Snow」の水中写真・動画映像の撮影を担当。その作品は全世界各地で公開され1000万人以上の人々に鑑賞された。
2013年には英国自然史博物館の依頼でWild Life Photographer of the Yearの審査員を務めた。
現在、日本水中映像(株)の代表取締役会長として活躍する傍ら、日本各地に出かけて精力的に撮影を続けている。
主な著書に『さかなの街』(共著/東海大学出版部)、『コブダイ 弁慶の海』『サンゴの森』(共著/そうえん社)など多数。

【対談】JCUE会長 山中 康司 with 中村 宏治

山中 康司
JCUEになって15年が過ぎました。JCUEの前身と言えるNAUIを語るには、宏治さんはなくてはならない人ですので、今日はいろいろとお話しを聞かせてください。
日本安全潜水教育協会は元々、NAUIが日本に入ったときにできたNAUIのインストラクターの集まりの協会だったので、NAUIの礎を築かれた中村宏治さんに当時のことや、今取り組んでいらっしゃることや、これからの業界についてのお話をお願いいたします。

中村 宏治
初めは、JCUEとのつながりの話からですね。

山中 康司
はい。JCUEを立ち上げた時にはNAUIのメンバーが多かったですし、宏治さんにたくさんのご支援をいただいたし、甘えさせてもらいました。

中村 宏治
僕がダイビングを習った時は、伊豆海洋公園で師匠の益田一にスパルタンに訓練されたんですよ。
スパルタンな教え方は、今は通用しないと言われるけど、僕はその有効性はあると思う。
インストラクター試験を最初に受けたのは日本潜水会だったんだけど、須賀さんが試験官だったよ。(笑)

山中 康司
須賀さんだったのですね!

中村 宏治
その後NAUIを受けたのかな?
年齢的にも、視野の狭いガキだったから、偉そうに上目線で「あ~こんなものでいいの?」という感じでNAUIのカリキュラムを見ていた、その当時はね。
スパルタ教育で厳しく教えられた物を、一般の人々に優しく吸収させるカリキュラムには、アメリカ的なプレゼンテーションのしたたかさを感じたね。
セーフティ・スルー・エデュケーション、安全性を、教育を通じて教えていこうという考えで、このエッセンスの部分が残ったのがJCUEなのかな。

山中 康司
そうですね。

中村 宏治
当時NAUIの人たちが一生懸命やっているのを見ていたけど、苦労していたね。
初期のころは、インストラクターによって技術的なばらつきがあったけど、それでもNAUIはぶれが少なかった。
一生懸命インストラクター試験を受けている人に、「自分の家族を預けて安心な人しか認定しない」といって不合格を出すのは嫌な訳よ。その首切り役が僕だったんだよ。(笑)
一抹の不安がある候補生を落とすことの方が、その人の為にもNAUIの為にもなる。
だからNAUIは増えなかったのかな。(笑)
でも、その落とされたことが、その人にとっても今でも語り草になることなんだよね。
文句や怒られたこともあったけどね!当時(笑)
スタッフが10日間なんとか合格させようとして、最後に一抹の不安を解消しきれずにいて、そのまま認定し、その人が更に不安要素のあるダイバーを作ったらもっと後悔することになるからね。結果として、厳しくて良かったと思うよ。

山中 康司
インストラクターになって事故を起こしたら、人生のなかでかなりのダメージを受けるので、その可能性をできるだけ取ってあげないといけないから認定できない。
スキルや知識だけではない、スタッフの姿勢が伝わっていたんでしょうね。

中村 宏治
落とす側の方が、エネルギーが必要だったね。
でもその姿勢を貫いてきたからいまだに最前線でやっている連中が、西表島や石巻にいて、親友であり良いダイバーであり続けているんだよね。

山中 康司
私は団体関係なくこういった姿勢は絶対に必要だと思うし、そのころの方々が今でも一線でポリシーを持って仕事されていますよね。

中村 宏治
物語がひとりひとりにあるよね。

山中 康司
JCUEは引き継げているかわかりませんが、多くの先輩方が更新をしていただいているんですよ。(JCUEメンバーの名前をあげると・・。)

中村 宏治
よく知っている名前がたくさん出てくるなあ。だから、今だにNAUIとかJCUEとか信用しているよ。
どこそこの先生を丁重にもてなしてコースを運営することは僕には向いてないし、僕が長くやっても評判が落ちるかもしれないから(笑)
ITCはそれほどやってないけど(笑)、JCUE理事の村田さんはその時の受講者だったよ。

山中 康司
ダイビングのインストラクションってとってもいい仕事ですよね。

中村 宏治
素晴らしい仕事をしている。でも、今はしわ寄せが現場に来て、命を預かって責任ばかり背負って大変だよね。海の中を安全に見させてあげようというエネルギーは何年後かに大きな違いが表れると思う。
僕も昔、伊豆海洋公園でインストラクションしていた頃は、講習をこなすのに必死だったし、写真や映像をひたすら撮ってきた時にも気づかなかったけど、今、改めて撮ってきたものをみると、生物と関わってきたから成長できたと思っている。

山中 康司
僕らは宏治さんから見せて頂いたものによって、たくさんの感性を刺激していただいてきました。

中村 宏治
一生懸命水中へ分け入る努力してきた中で得た作品は中村宏治の歯痕がついているけど、それを素晴らしいと思う気持ちが皆さんに伝わればいいし、それがフォトグラフィーの原点なんだろうね。
神が作り出した生き物の姿を克明に見ているから、神の創造物としての素晴らしさやその生物に出会えた喜びをみんなに伝えるということは、存在意義のある仕事だね。
師匠の益田一は、「宏治、水中写真は報道写真だ。アートの写真に至るまでには何十年もかかるし、できる人間とできない人間がいる。水中の生物を撮影するということは今の俺たちにとっては報道写真だ」(芸術写真だとか言っているやつらは嘘をついているやつだ)(笑)と話していました。

山中 康司
益田さんは、そんなことをおっしゃっていたんですね。(笑)

中村 宏治
見る人を感動させることはできるんだけどその感動はどこから来るか?
生物の美しさ、目の輝き、たたずまいの自然さだとか持っている表情を見て、感動するんだよね。
同じ地球上に生きている生き物だから共感できるのだろうね。
そういう意味では立派な報道写真かな?

山中 康司
宏治さんは、20年くらい前から日本全国を回ろうとされていましたよね。

中村 宏治
1995年頃から「ちょっとそこまで」という形で、TBS「筑紫哲也のニュース23」の中で、地元の人たちも知らない様な海の物語を見せようとしたんですよ。「みんな違って、みんないい」という金子みすずさんのような切り口で・・・。(笑)
2000年から、『日本100潜』の撮影のため、キャンピングカーで潜りに行くことを始めました。

山中 康司
その中で、青海島にはまったんですか?(笑)

中村 宏治
生物を追いかけて潜っていると、いつも潜る基地みたいなところが必要になるんだよ。僕の場合は海洋公園だったり富戸だったり毎回潜るたびに見る魚を識別できるようになった時に、見かけたことのない生物を見つけられるようになる。
大瀬崎をはじめとして、紀伊半島の串本、須江、四国は高知の柏島にも行ったよ。
全国各地を巡って、その過程で出会ったのが山口県長門市 仙崎の青海島(おうみしま)で、
『さわやか自然百景』という番組の撮影で行ったのがきっかけで、15年程前から通うようになったんだけど、青海島は、日本各地のポイントの中でも大きな出会いの場所になりましたね。
新しい海の入り口を見つけたという感じかな。
毎年、春と秋には6週間くらい滞在し、そこを拠点に九州地方へも足を延ばすんだけど、最近は、2カ月間くらいの長期になっています。

山中 康司
青海島はどんな海なんですか。

中村 宏治
青海島は日本海で内湾と外洋に面していて、海底の生物を探すような潜り方をしていても新しいものが見つかる場所。
シリアケイカ、クサウオ、オオカズナギと、かなり特殊な生き物たちがここに行けば観れる場所だったんですよ。
そのうちに、阿部秀樹とか一緒に潜るようになった時に「浮遊系」という生物を撮影するようになって、青海島は浮遊撮影をする事で出会ったことのない生物に出会うようになったんだよ。

山中 康司
何時頃の時期に行かれているのですか?

中村 宏治
青海島の良いのは春と秋だけど、特に春が良いんだよ。
うちの愛妻・愛犬も含めてみんな老化(笑)してきたから無理はできなくなってきているから、今年の秋は無理かも知れないけど、春は60日くらい行きたいと思っています。
伊豆の海では、毎回潜った時に生物を観察して、時々新しい生態行動を見つけられる。それが今までやって来た生物撮影の基本だと思う。
日本海の青海島では、1ヶ月近くの間潜り続けて、毎日毎日、新しいものが見つかるんだよ。
伊豆でも、目新しい生物を探して潜っていたけど、毎日 見たことのない生物に出会える場所ってないんだよ。それは毎日新しい宝石に出会っているようなものなんだよ。
これはすげえや~~と思ったね!

山中 康司
どうやって見つかるんですか。

中村 宏治
海洋公園や富戸では、海底の生き物を撮影するのに専念していたのだけど
頭上を泳いでいるプランクトンだとか、水面近くの浮遊性の生物に全然興味がなかった、ネグレクトしてた。そこに踏み込んだんだな~~。
『新しい海の入口を見つけた』そんなテーマでスライドショーなどをつくっている。
今までの常識では30日間潜って、目新しい生物に出会う確率は、見た事のない生物1種が見つかればいいほう。毎日、新しい何かを見つけられなかった。ところが、プランクトンを見るようになったら、かなりの高確率で、新しい生物に出会えるようになった。ただ、同じものには2度と会えることも少ない。まさしく一期一会。
名前もわからない、どんな生物かもわからない。

山中 康司
老眼とか大丈夫ですか(笑)

中村 宏治
老眼がきちゃっているから、見つけてもらうという感じなんだけどね。(笑)
JCUE会員でもある、笹川さんに見つけてもらってますよ。
他力本願そのもの!笹川さんの事を「神の目」と呼んでいるんだ。

山中 康司
小さな生きものを、きれいに撮影する人が増えていますね。
伊豆でも最近、流行ってきていますよ。綺麗に皆さんが見せてくれているからですね。

中村 宏治
良い場所で生物が溜まるような環境があればベストだね。
地域によって違う生物が見えるだろうね。大瀬崎はおもしろいね。

山中 康司
大瀬崎にも良く行かれていますよね。

中村 宏治
大瀬崎は夜潜るのに許可があるからね。
阿部秀樹さん、峯水 亮さんなど、最先端で活動している人もきている。
世界中のカメラマンが浮遊系の生物に興味があって撮り始めています。
プランクトンに気付いたから、ゴールドラッシュが始まったんだね。
ただ、こいつらは、クラゲ、ハダカソウクラゲ、稚カニ、ウニや、ナマコや、ヒトデの幼生だから小さい。

山中 康司
マクロの世界ですね。

中村 宏治
マクロが難しければ、ワイドマクロで深いピントを画面の真ん中に置いて、フォーカスを確保しながら相手の動きを撮る。色々なことをやっていますよ。ハッキリ言って、まともに動画が映るようになったのはここ1-2年。
運がよくないととらえきれないことがまだまだある。

山中 康司
カメラのISO感度があがってきていますよ。

中村 宏治
ISO感度限界が上がっている、ライトもよくなっているのは確かですね
デジタルのおかげだね。アナログからデジタルへ・・。
デジタルで便利になったけど、映像はカメラマンの葛藤と映ったものの結晶だと思っている。6発たまが入る銃だって一発目と6発目を打つ気持ちは違うじゃない。36枚のフィルムの時は34枚くらいしか撮らなかった。
上がる直前に何かすごいものが出てフィルムがないと怖いじゃない!?

山中 康司
それはある意味、いくらでも撮れるぞというのと違うものがありますね。
何でも撮れるより、一枚一枚を大事に撮るっていうのも大切かも知れませんね。
浮遊系は、峯水 亮さんも昔フィルムでやってたけど、何枚も撮れないから、浮遊生物が撮れるようになったのは、デジタルのおかげだと言っていました。

中村 宏治
そうそう、デジタルは革命だよね。僕らに革命的な技術レベルを与えてくれた。
でも、一般の人にも革命的な技術レベルを与えて、民主化されちゃった(笑))すごい写真が撮れるようになっちゃったけどね。彼等は、頭は良いし、うまい人がでてきたよね。
しかも、その人たちは生活が事足りてきているから、フリーで写真を出したりする。
コストパフォーマンスもおかしいことになってきている。これも革命だね。(笑)
その中でどうゆう風にものを見ていくかを考えなければならないのが僕たちプロだね。

山中 康司
よりよく撮ってやろうということもでてきますよね。

中村 宏治
戦略的には凄くなってきたけどエモーショナル的には一歩下がったのかもしれないね。
もちろん、海の中の生き物を正確にとると言う点ではデジタルは優れている。
アナログはすべての情報を持っている。
人間の目や耳で感じられない情報を人間の皮膚は感じているかもしれないじゃない?
そこを全部ネグレクトしたのがデジタル。
同じものを繰り返しはいらなくて変化したものしかいらないというのもデジタル。
俺たちの目の前のものをごまかしているけど、体が納得しているかどうか解らない。
自然が発しているのはアナログの音だからね。
何かがあるような気がする。そんなことが生物の面白さかもしれないな。

山中 康司
我々潜っているということはそんなことかも知れないですね。

中村 宏治
撮影は機材も進化していますよね。
僕はスチール撮ったから終わりじゃないんだよ
僕が撮りたいのは動画。動画はコンスタントにピントが合って、なおかつ、動きをきっちりととらえてないといけない。
フレームインとかフレームアウトとかも全部テクニックを織り込まなければいけないから大変。ピントが深くなければいけない。
青海島は、水面下で安全に潜れる場所で、浮遊系の撮影の楽しみを見つけた人たちのコミュニティーがあってね。
青海島では、夜ではなくて、昼間潜って浮遊系のものが見つかる。
水深1メートルから3メートル位のところに1時間位1日2本潜るだけなんだけど、それで毎日毎日、新しいものが見つかるんですよ。
風は、強い沖出しの風の後が良いんだよ。
ここは普段深いところにいる生物が湧昇流で運ばれて、上がってくるんだ。
僕らが水面近くの生物を見始めたのは10年くらい前からだから、それが珍しいことなのか、他でも同じなのか良く解ってない。

山中 康司
見た生物はどうやって分類しているのですか。

中村 宏治
ガイドをしてくれている笹川さんや奥谷先生、萩博物館、広島大学などで調べてくれて、フィードバックしています。
パラオや柏島でも情報が出始めているのでおもしろくなってきているね。
西日本が生物生態派、九州大学、鹿児島大学、愛媛大学のあたりに良い研究者が育っていますよ。
秋田や山形などもまだまだ可能性があると思うよ。
夜や水面下で潜れることと、その生物を見つける目がある人がいれば・・。
100か所の海より、100種類のおもしろい生きものを見るほうが、今の僕には魅力を感じるものなんだよ。浮遊系のものは、新しい生物が見つかる割合は多いんだけど、いつも出会えるとは限らない。出会えても、一期一会なんだ。生物っていうのは、そういうものだよね。そういう気持ちがあるから生物をリスペクトする気持ちが産まれてくるんだよ。
ガイドさんに協力してもらって撮影を続けているんだけど、2回目3回目に出会えたときは、めちゃくちゃ嬉しいんだよね。青海島は僕に刺さっちゃったの。(笑)

山中 康司
青海島とは、そういう場所なんですね。

中村 宏治
珍しいものを探したり、知られざる生態を見たり撮影したりすることで得られるものって、生物の持つ素晴らしさに対する尊敬の心だ。それを伝えようとしないとダメだよね。生態的なことはさらに、ヒメヒイラギの発光とかもっともっと掘り下げていきたいし面白いところが多いね。
インストラクターは、人間の精神的な進化に関わる重要な作業を積み上げている。
僕はそう思いますよ。

山中 康司
おもしろくてやっていましたが、生態の係わりが見えて、最後は自分に返ってきますよね。奥が深いので、今度どうなるかわからないけど、自分が変わってきているのは確かです。

中村 宏治
ダイビングはアカデミックなものに結びついた時に素晴らしいものになると思うなぁ。
今、みなさんが潜っているエリア、水面から水深30〜40メートルまでのエリアで、まだほとんどのことがわかっていないじゃないですか。ダイバーひとりひとりが探検者だよね。そこをダイバーというエクスプローラー(ダイバー1人1人がエクスプローラー)が自然の中に分け入って、見たもの、写真に収めたもの、聞いたこと、感じたことを、アカデミックな学者の世界(学問の世界)と結びつけていくことで、海の中を知らなかった人類全体が、重要な世界を知るキッカケになることができる。
人類は手足・目などのフィジカルなことは進化することはないが、精神的な進化は必要だと思うんだよ。
多くの人がもっと水の中に潜って、多くのものを見てもらい、そこで感じた(リスペクトした)ものを学術的に(学問的世界と共に)掘り下げていくことで人間が精神的に進化していくことができる。それができれば僅かな可能性かもしれないが、人間が海の中の盟主になれる(地球の生態学バランスを含めて)かもしれない。
今は陸上の征服者でしかないけど・・。水の中でエコロジーという見方で地球のバランスを含めて掘り下げていくことで、今までの人類から変われるかも知れないな・・。

山中 康司
そうですね。

中村 宏治
僕らが潜るということは、人間は陸上の生物だけど、水の中で見たものは、最終的には人間社会には他人事。
海は略奪の場所でしかなかったんだよ。それが環境破壊を生み出してきた。
頭の中では解っているけど、なんでも海に捨てればいいという行動が、自分たちの将来を殺している。

山中 康司
飽食は悪いとはいわないですが、魚もドンドンいなくなってきていますしね。
最後に一言、今後のダイビング界はどのようになっていくと面白いでしょう。

中村 宏治
ダイビングは、ものすごく大切なもの。
インストラクションも夏のレジャーの一部ではなくエクスプローラーを育てることをしていると思う。宇宙飛行士をトレーニングしているのと同じように評価されていいと思う。
命を預かること。安全に海の世界を観せてあげる。安全に潜るインストラクションは100年後につながるものだと思いますよ。

山中 康司
僕もダイビングを通してすごくいいことをしているなと思っています。

中村 宏治
今日は、常々思っていること、僕の志が少し話せた気がします。
まだまだ海を楽しみたいと思っていますよ。

山中 康司
楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。

編集後記

勝田 麻吏江
東京に久しぶりの大雪が降った1月22日、中村宏治さん、話し始めると止まらないなあ・・と言いながら、終始笑顔で、穏やかに夢を語るように話してくださいました。ダイビングってすごい!! 私もダイビングインストラクターになって良かったと!思いながらお話しをお聴きした3時間でした。

中村 宏治さん著書

【達人に聴く】 JCUE with 対談シリーズは以下より

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