2018/5/14(月)伊東市富戸ダイビングセンターにて顕微鏡ワークショップを開催しました。

JCUEでは、従来のダイビングガイド手法から少し視点を変えた、ダイバーの好奇心を刺激し、驚きや発見を導き出すダイビングガイドテクニックを開発する「アンダーウォーターインタープリター」認定プログラムを実施しています。

生物種名や生態の面白さをダイビングガイド側から提供するだけではなく、これは何だろう?この魚は何をしているんだ?こうすれば見つけられるんだ!・・・・水中世界の生物多様性や環境をダイバーの「知る」から、さらに「不思議に思う事や、参加者それぞれが感動し発見する楽しみ」を伝える水中のネーチャーガイドが「JCUEアンダーウオーターインタープリター」です。

多くのJCUEアンダーウオーターインタープリター認定者が参加した今回のJCUEセミナーは、 JCUE理事でもある 帝京科学大学 古瀬浩史教授 に講師を担当して頂き、アンダーウオーターインタープリター的なプログラム紹介として、生物多様性に富んだ海の生き物同士の関わり合いを知るために、微小生物を顕微鏡で観察するテクニックを活用したダイビングガイドプログラムを1ダイブ実習を含めたワークショップとして開催しました。

目次

目標

  1. 顕微鏡の構造や基礎的な理論の理解
  2. 分解、清掃、メンテナンス、デジカメ接続などのチューンナップ
  3. 水中で採集した微小生物のすみやかな検鏡が出来るようになる

当日の流れ

1.ピンセットの準備

顕微鏡は「ちいさいものをみる」装置であるから、微細なものを扱う道具や想像力が必要。ピンセットは重要な道具のひとつ。

  • 自体顕微鏡を使用しピンセットを刃物同様に研いで使用する
  • 耐水ペーパー#600から#5000までを使用し研いで行く

2.いろいろな顕微鏡の紹介

  • 実体顕微鏡、光学顕微鏡
  • 虫眼鏡と顕微鏡の違い

3.顕微鏡の基本的な構造や取り扱い

光学顕微鏡の取り扱いや構造のレクチャーを受けました、精密機械の性質上、持ち方やレンズ保持の仕方を詳しく学びます。
光学顕微鏡は現在オークションサイトなどで安価で入手可能。タイプやメーカーも様々なので、使用の状況にあったタイプの顕微鏡選びのアドバイスがありました。スライドグラスを置くステージも種類があり、リボルバーの仕組みも粗動と微動の2種類を装備しているタイプもあります。

また、顕微鏡の清掃やメンテナンスも実践し、個人で持ち込んだ顕微鏡の分解と清掃の実技指導がありました。

4.検鏡

スライドグラスとカバーグラスの扱い方法、レンズの選択や、ステージに置いたスライドグラスにどのようにレンズを近づけ、ピント合わせをリボルバーの調整で行う基本的な順番を学びました。スライドグラスは精製水を使用し、拭き取りにはキムワイプという特殊なペーパータオルを使用します。カバーグラスはピンセットで取り扱い、一度使用したカバーグラスは廃棄します。メカニカルステージと呼ばれる機械的にスライドグラスを動かす仕組みと、粗動と微動の調整が出来るリボルバーを装備した顕微鏡は取り扱いが楽でした。

5.素材採集のためのダイブ

  • 採取用ケースやネットを各自準備し、最終素材のテーマを決定し3チームに分かれてダイブ
  • 採集用のネットやケースは100円ショップで購入できる物ばかり、特殊な道具の準備も必要なく、つねにBCのポケットなどに入れて必要に応じ使用可能な採集道具を自作しました

6.採集微小生物の検鏡

  • 珪藻類、微小甲殻類、砂、等を採取したケースから小さめの容器に移し、一滴をホールスライドグラスに乗せ、ピンセットで空気が入らないようにカバーグラスを被せる。顕微鏡を覗くと様々な種類の珪藻類や微小生物が観察できます、砂を採集したチームの素材の中にはウミホタルも確認でき、海の食物連鎖の底辺を支えるミクロワールドの生物の多様性を実感できました

7.ダイビングガイドプログラムに顕微鏡観察を取り入れるアドバイス

沢山の参加者に見せる工夫として、デジタルカメラを顕微鏡にセットする改造の方法の紹介がありました。参加者への解説としてとても有効な手段です。


マニアックに微小生物を採集しマクロ世界を覗き見るのではなく、小学生以来の顕微鏡に触れる体験のワクワクと、海の生態を支える基盤となる生物を観察することで発見できる新しい気付きが提供できるプログラムだと考えます。本格的な顕微鏡ではなくても、フィールドで使用可能な40倍程度の小型顕微鏡は1,000円程度で入手可能です。最近注目のライトトラップのダイビング後の浮遊生物観察にも取り入れられ、ダイビング前後の解説や話題づくりにも効果的なプログラムではないでしょうか。

報告 JCUE事務局 矢北浩司

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