2021年も残すところあとわずかになりました。
JCUE今年最後のセミナーは会員限定「沖縄での潜水事故から何を学ぶか」です。

潜水事故のテーマは種々の視点から扱いづらいテーマではありますが、
長年潜水事故を分析してこられた村田幸雄さんに過去の事故事例を紹介していただきます。過去事例から何を学べるかを、皆さんにも考えてもらえるきっかけになるかと思います。

目次

アウトライン

  • 潜水事故事例
  • 村田さんと理事によるパネルディスカッション

参加者の方からも意見を頂けるようにいたしますので、発言したくなったら是非ヒトコトをお願いいたします。

日時

2021/12/14(火) 20:00~21:00

参加費

JCUE会員無料 (会員限定セミナー)

参加資格

JCUE会員 

 JCUE会員でない方でも、新規会員登録(2022年会員)をしていただくと、無料で参加できます。
お知り合いのダイバーにも、セミナー情報をご案内ください。

講師自己紹介

村田幸雄(むらた ゆきお)
1952年生まれ
インストラクター資格取得:1976年11月
潜水指導団体:NAUI  (2021年11月で45周年を迎える)

ダイバーレスキュー訓練

1994年より海上保安庁の全面協力を得てヘリコプターを活用したダイバーレスキューの実証実験と潜水事故対策訓練も指導した。2017年以降は、諸般の事情により官民合同の潜水事故対策訓練は役目を終えた。

ドクターヘリの立ち上げと、自身の搬送経験

沖縄県でのドクターヘリについては、2005年の浦添総合病院での立ち上げ時から参画する。主に潜水事故対応での航空搬送の検証も行った。現在は、沖縄県ドクターヘリ運航調整委員会に潜水事故対応としてオブザーバーで参加している。

2005年12月より水中での医療用酸素を使用して酸素減圧の実験を開始した。2008年3月に水中にて肺嚢胞の破裂を経験。無事に生還した。ドクターヘリで搬送され、手術台に寝かされた胸部麻酔注射を打つ際に救急医からは「胸壁が厚いので麻酔が半分しか効かないかもしれないけど。」とのことだったが「一刻も早くドレーン針を指し込んで。」と伝えた。

ドレーン針が胸腔内に入った瞬間、肺が膨らみ呼吸が楽になった途端、意識を失った。翌日、ICUで目覚めると「あと10分位で心臓に負担がかかり過ぎて危なかったよ。」とのこと。もらった生命を大切に」との理念のもと安全潜水の普及活動に邁進することにした。

潜水障害と酸素供給

 インストラクターとして活動を開始した翌々年の1978年だが、1980年頃からアメリカでは潜水障害でも現場で酸素供給を受けることができれば症状が緩和されるとの知見が伝わった。ただ日本の医師法や薬事法の関係で医師以外が潜水障害のダイバーに医療用酸素を用いると医師法と薬事法違反を意味するのだった。

 1996年に海外にて酸素インストラクター資格を取得して帰国した。翌年には日本国内でも医療用酸素を用いた講習会が開催されたが、根本的な医療用酸素を使うことは法律的に制限が続いていた。いわゆるグレーゾーン状態のままだった。

 2014年から2020年まで琉球大学医学部付属病院の高気圧治療部にて研究生。学割の利く学生証を所有していた。在学中に自分の指導教授に相談して医療用酸素を非医療者であるダイビング関係とプール関係の水辺活動関係者でも使えるように交渉を重ねて厚生労働省から許可を得ることができた。

 正式には琉球大学医学部、身元引受を公衆衛生学教室にお願いした。所属は琉球大学付属病院の高気圧治療部。研究課題は「沖縄県内における職業ダイバーの労働形態と潜水災害の実態調査」として入学願書を提出した。詳細は、沖縄県内で仕事をしているレジャーダイビングのインストラクターやガイドダイバー等の潜水障害の発症と、その治療等の臨床面も含めての調査研究だった。
 職業としてのインストラクターやガイドダイバーの潜水障害や傷病については、公衆衛生学的には、本格的な研究はされていなかった。琉球大学での研究生期間が満了後に、久留米大学医学部の環境医学教室とも共同研究者として沖縄にて実施した。最低でも、今後3年位臨床研究が続いた。2014年の第49回から52回日本高気圧環境・潜水医学会学術総会まで講演発表している。2021年10月に開催された第55回日本高気圧環境・潜水医学会学術総会の特別講演「沖縄県内における潜水事故の傾向と対策」を実施した。

 著者が活動拠点している沖縄県は、多くの離島から構成された離島県。陸路での潜水障害のダイバーを搬送することがままならない状況がある。再圧治療装置が常備された救急対応できる医療機関は、沖縄本島では2施設、宮古島と石垣島でそれぞれ1施設のみだった。その他の離島では久米島では県立ではない公立の医療機関があるが、再圧治療装置は設置されていない。そのために以前は、潜水障害の傷病者が発生すると自衛隊の航空機で那覇に搬送されていたが、再圧治療装置を使用せずに医療用酸素の吸入と点滴対応で治療を実施し様態が安定してから沖縄本島へ搬送される事例もあった。

 減圧症の治療で医療用酸素吸入と点滴での対処法が可能となると、離島の診療所レベルでも対応することができるのであった。

 まだ救急のキーワードで潜水障害、減圧症と伝えると、医療機関からは再圧治療装置がないので治療対応できないとの返事を空しく聞いた。結果的には、宿泊先で何もできないで就寝して、翌朝に船で医療機関のある大きな島に移動することが精一杯で、そのまま内地に飛行機で戻って症状が悪化した事例も何例も経験したことがあった。

 繰返しになるが、琉球大学にて指導教授の強力な支援を受けて厚生労働省の医政局との勉強会にも参加。最終的には平成28年5月に厚生労働省医政局からダイビング関係者を含む水辺活動する関係者で医療用酸素を使っての知識と蘇生法のトレーニングを受けた場合は、水辺活動者の救命救護活動に医療用酸素を用いて対応すること承認する旨の承諾印を頂き、全国紙の新聞に紹介された。苦節23年目に苦労の甲斐があった。

現在の活動

 現在、ダイビング事故を含めて水辺活動での救命救護として医療用酸素を使っての蘇生法の普及活動も併せて実施している。ダイビングを愉しむための裏方としての、もしかして潜水障害に罹患した場合の確定診断と現場でのファーストエイド対応の確立、潜水救急ネットワーク沖縄を立ち上げて、少しでも社会還元ができればと孤軍奮闘だ。
 次世代の人材育成を緊急課題と考えているが、著者の年齢を考えると早急な対応が必要、なかなか現実は、夢のようにはいかないのだった。

申し込み

申し込み締め切りは、2021/12/12(日) 21:00

ZOOMというオンラインシステムを利用します。
ZOOMは利用しますが、音声はミュート、ビデオもOFFでの接続でもかまいません。

 当日のZOOMのURL/PWにつきましては、2日前に『ご案内メール』を送信させていただきます。大切なメールですので必ずご確認ください。
申し込みと同時に、自動返信メールより申込確認が届きます。届かない場合には、記入メールアドレスが間違っていることが考えられます。
恐れ入りますが、申込みフォームから再お申し込みをお願い致します。

申込フォーム

申し込みは締め切りました。


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