静岡県伊東市内小学校における「2021年度 ういてまて講習とスノーケリング体験」開催報告 

昨年はコロナ禍で中止となった活動ですが、地元の小学校の子供たち、先生たちの熱いリクエストで、コロナ禍ではありましたが、復活開催しました。
この活動は今から14年前の2007年にJCUEが関わり始めた「命を守る着衣泳・ういてまて」講習と身近な海中の自然観察を目的とするスノーケリング体験を行う地域貢献活動です。
昨年一年の中断をはさんで、伊東市立富戸小学校では14回目、西小学校では11回目、そして東小学校は今年で3回目の開催となりました。

目次

開催概要

  • 主催:伊東市立富戸小学校、伊東市立西小学校、伊東市立東小学校
  • 主管:NPO日本安全潜水教育協会(JCUE)
  • 協力:いとう漁業協同組合富戸支所、一般社団法人水難学会、駿東伊豆消防、地元ダイビングショップのインストラクターの皆様

詳細

富戸小学校

開催日時:2021/7/5(月) 9:35〜14:35

富戸小学校屋外プールでの「ういてまて」講習

  • 3年生12名 09:35〜  ・1年生15名 10:40〜  ・2年生16名 11:30〜
  • 6年生22名 13:50〜
  • 参加スタッフ: 6人

富戸払港・海での「ういてまて」体験とスノーケリング

  • 4年生23名 5年生12名 合計35名 10:20〜14:20 午前中「ういてまて」、午後自然観察スノーケリング
  • 参加スタッフ:10人

今年はコロナ禍での開催ということで、例年と違うことが二点ありました。
まず一点目は、例年4年生だけが海での「ういてまて」講習とスノーケリング体験なのですが、昨年中止だったために、昨年の4年生(現5年生)もリベンジという形で海に出ました。二学年合同で35名をスタッフ10名の安全管理のもと行いました。

二点目はプール・海での指導中は、講師の先生たちもシリコン素材の「プールマスク」を着用という点です。これは学校の先生がプール授業を行うときに感染リスクを低減させるために着用しているということで、我々も学校の指導方針に倣い、同じものを用意しました。

また、今年はスタッフの数が少なかったので、プールでは子供たちを2班に分け、一つの班が「ういてまて」を行っているときに、もう一つの班はライフジャケットの着用の仕方から浮き方を学ぶという指導方法で行い、少人数スタッフでも安全管理を徹底しての指導が可能でした。

この講習は(昨年を除き)毎年全学年を対象にしての継続教育ですので、最初の頃は、緊張して体が沈みがちだった子達も、年に1回だけでも継続して経験を積むことで「ういてまて」を実践できるようになってきます。
1年生だった子達が生まれて初めて浅いプールで背浮きを体験し、2年生、3年生と毎年講習を重ね、4年生では富戸港を使って海洋での「ういてまて」とスノーケリングを行うことで、自然環境にも目が届き、さらに塩分を含んだ海水で、より浮くことが分かるようになります。 
集大成の6年生では、余裕をもって「ういてまて」を実践し、バイスタンダーは落ち着いて浮くものを投げ込んだり、消防119に電話をしたり、周りの大人を呼んだり、各々の役目を果たすことができるようになります。 
「ういてまて」を一回だけでも経験するのはいいことですが、それでもいざという時に自然に「体が動く」ようになるためには、やはり複数回に渡って講習に参加し反復習熟していくこと=継続教育が大切と感じます。

また、「ういてまて」を海で行うことで、寒さとの戦いもありますが、みんなプールより楽に浮けることにビックリします。また、堤防からの転落~「ういてまて」の実践、一連の「チェーンオブサバイバル」の体験では、堤防からの転落はちょっと勇気がいりますが、水に入ってしまえば、上手に背浮きの姿勢をとり、ペットボトルにつかまって救助を待つことができました。

転落した人は背浮きの姿勢になること=「ういてまて」、発見者(バイスタンダー)は、119番に電話をしたり、または大人の人に電話を掛けてもらったり、ランドセルやペットボトルなど浮くものを投げて励ますという役割を経験しますが、これらは地元ダイビングインストラクター達の協力があってはじめて、万全の安全管理下で行うことができるので、毎年の参加スタッフの皆さまの協力にはとても感謝です。

午前中で海洋「ういてまて」講習を終え、午後からは地元の海の中の水中観察です。海に近い小学校だからと言って、全員がスノーケリングをやったことがあるわけではなく、ほとんどの子達は生まれて初めてマスク、スノーケル、フィンをつけてのスノーケリング体験です。 
どの子たちも真剣な表情でブリーフィングを聞いてくれ、マスクをつけて海の中を覗くと、真っ青なソラスズメダイに感動したり、ウツボに絶叫したり、ナマコやウニに触れて大騒ぎです。
今年も、子供たちにとっても大満足の海洋体験の一日となりました。

西小学校

開催日時:2021/7/6(火) 9:00〜12:10

5年生児童 2クラス49名 プールでの「ういてまて講習」

  • 5年1組27名 09:25〜10:35
  • 5年2組22名 10:45〜11:55
  • 参加スタッフ:10人

富戸小学校の翌日は伊東市立西小学校で5年生2クラス49名に「ういてまて」講習をしました。西小学校では継続11回目になりましたが、この小学校は継続教育ではなく、単年で毎年5年生に講習しています。
「ういてまて」講習の一番のポイントは浮いて待ての徹底です。特に単年度での講習ではその一番のキーポイントを重点的に覚えてもらうようにしています。

東小学校

開催日時:2021/7/6(火) 13:25〜14:10

4年生児童 2クラス32名 プールでの「ういてまて」講習

  • 参加スタッフ:10人

西小学校で美味しい「給食」を頂き、午後は東小学校に移動して4年生の講習ですが、東小、西生ともに「ういてまて」と「ライフジャケットういてまて」との2班に分けての講習を行い、スタッフ不足を補いました。

スタッフ・見学について

  • 安全管理のできるダイビングリーダーシップ、「ういてまて」指導員、JCUE正会員が直接関われます。
  • リーダーシップをお持ちじゃない方や、この活動に興味をお持ちのPTAの方、お子様を持つご両親などはサポート的な参加が可能です。またどなたでも見学可。

以上、今年度の伊東市における「ういてまて講習とスノーケリング体験」の事業報告とします。 
なお、2022年度も上記3小学校での講習会は継続予定です。

報告者

JCUE理事 桑原龍哉
所属:株式会社マリンステージ
413-0231静岡県伊東市富戸206-6
TEL:0557-51-5869

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