目次
JCUE ウェビナーセミナー 開催報告書 (報告者 佐々木)
タイトル「僕とヒメヒイラギ」
パネリスト 佐々木 紅良 (JCUE会員、NAUIインストラクター)
日時 2021/02/18 19:30〜20:40
開催対象 JCUE会員
1999年に西伊豆の黄金崎公園ビーチでヒメヒイラギの発光現象を観察して以来、21年間観察継続しているヒメヒイラギの発光現象について、発見の経緯、発光の仕組み、黄金崎公園ビーチでの生態、映像などの紹介をさせていただきました。
1.発見場所
静岡県西伊豆町 黄金崎公園ビーチ
2.発見日時
1999/07/24 20:00頃 ナイトダイビング中
3.発見の経緯
たまたまライトを消していたら発光を発見
低い精度で自動的に生成された説明
近づくと10個体以上の点滅発光が観察できた。
蛍とは違い明確にON、OFFした点滅でした。
ライトをつけると勢いよく散ってしまうので、光っている魚の正体は不明。
発光する光を追いかけて証拠写真撮影に専念した。
エキジット後に他のスタッフに「蛍のように光っている魚がいた」と話しても
「夢見てたんじゃないの?」くらいの反応でまともに取り合ってもらえなかった。
後日現像があがってきた写真と図鑑を見比べて初めてそれがヒメヒイラギだとわかりました。ただ、図鑑には発光に関する記述は一切ありませんでした。
JCUEのメーリングリストにヒメヒイラギの発光を見たことを投稿してみた。
これを見た会員の田原氏が各方面に問い合わせてくれた結果、林先生より「今回の観察はおそらく私が知る限りでは、世界でも初めての観察記録になるのではないでしょうか」「羽根田先生がご存命なら喜んでいたことでしょう」との返事をいただき、とても貴重な観察であることがわかりました。
Diverを立ち読みした東京大学海洋研究所の池島氏が同所属の和田氏に連絡し、和田氏からE-mailをもらい共同研究が始まりました。
4.発光のメカニズム
ヒイラギ科魚類はすべての種類で発光器を持っている
ヒメヒイラギはイトヒキヒイラギ属に所属している(現在)
観察当初はセイタカヒイラギ属に分類されていた。
羽根田先生の文献によるとヒメヒイラギとオキヒイラギは雌雄で発行体の形態、大きさに差があるSexual Dimorphism が認められる発光器で、繁殖期の発光体の重量比は
オス:メス=25:1 であった。
ヒイラギ科の魚は、発光体が体表に現れていない間接照明型の発光魚あることから、各地で水揚げされ干物としてどこでも見られるにもかかわらず、発光魚しては一般に良く知られていなかった。
なので、図鑑にも発光に関する記述がなかったと思われます。
発光している個体には鰓の後ろ側に透明パッチが確認できる。
発光体内に発光細菌が共生している。
発光細菌よる発光であるため光は連続的である。
このため、ヒメヒイラギは発光体を覆う黒い膜をシャッターとして制御して明滅をコントロールしている。
考えられている生物発光の意味
1防衛シグナル
2捕食
3コミュニケーション
であるが、ヒイラギ科魚類ついては野外の観察例がなく推察の域をでていない。
発光個体が非発光個体を追尾している様子が観察された
過去の研究から、透明パッチはオスにのみ現れることから
今回の追尾は、オスがメスを追尾していたと考えられる、
よって観察された発光は種内(特に雌雄間)のコミニュニケーションのシグナルの役割を支持するものであった。
5.ヒメヒイラギの生態 in 黄金崎
黄色○印の日がヒメヒイラギの発光が観察できた日
×印がヒメヒイラギの姿は観察できたが発光は観察できなかった日
白抜き年は、発光はおろかヒメヒイラギの姿も観察できなかった日(2020年のみヒメヒイラギの姿があった)
ヒメヒイラギの生態は不明な点が多い
6.発光を見るために
昔ながらの東芝ライトがおすすめ
基本はライトを消して観察。
ライトを使えないので撮影は容易ではない。
発光点をファインダーで追いかけてストロボで止めた写真
蛍の軌跡撮影のように長時間露光で撮影した写真。
ただし、三脚未使用のため光の軌跡はほぼ手振れの軌跡です^^;
NHKのさわやか自然百景で2017年7月の発光現象が紹介された。
このときの撮影機材はISO102400のカメラを使用して撮影。
7.2021年は
2019年、2020年は発光観察できませんでしたので今年2021年は期待してます。
興味のあるかたは黄金崎に集合です。
Q&Aコーナー
山中会長と視聴者からの質問にライブで回答させていただきました。
ヒメヒイラギガイド100%ではなく、通常のナイトダイビングと混ぜて実行してます。
動画はISO10000との情報はあります。
それ以前の取材のときは小発光だったが、カメラマンが我慢できなくてライトをつけてしまうのでヒメヒイラギが散ってしまい、姿が見えなくなった。
今までの発光はいろいろな潮まわりで確認されているので、この潮で光るとは言えな
い。
今までの経験では水中に流れがかかっているときは光らない。
光始めたらすぐきてください。
セミナー後のZOOM懇親会には林先生も参加いただきとても興味ある話を聞かせていただきました。
以 上
8.参考
ヒメヒイラギ発光観察記録のweb
http://akara.sakura.ne.jp/hime/
今までの観察記録が見られるWebサイトです。
Environmental Biology of Fishesに掲載されました。
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