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毎年、世界各国から海をテーマにした作品が集まる国際水中フェスティバルがフランスで開催されています。
5年前にホホジロザメの追跡調査をする研究チームがメキシコ沖のグアダループに集まるホホジロザメの調査を実施したドキュメンタリー映像が、第37回マルセイユ国際水中フェスティバルで最高賞を受賞。
映像には、著作権がありますが、この作品は、東日本大震災の復興支援活動のためにクリスチャン・ペトロン制作監督より贈られました。
日本語スーパーと、ナレーションをいれたものをフォーラムでは上映しました。
上映作品を視聴後に、長年サメの研究に携わっている東海大学海洋学部生物学科教授の田中彰先生をお招きし、ホホジロザメについて生活史に関わる年齢や成長、北西太平洋における分布など、研究されたことをお話しいただきました。

研究では、網にかかったサメの内臓から出てきたものを分析したり、背骨の年輪から成長を確認することができることをお聞きしました。
ホホジロザメは、大きい者、高カロリーのものを一挙に食べて一気にエネルギーを獲得する方がいいため、アザラシやオットセイなどの大型鰭脚類を食べます。
日本では、ホホジロザメが目撃されると、すぐに情報が伝達されるので、数が少なくても話題になることが多いそうで、実際には、世界各国の中で、生息数が多いわけではないようです。

カリフォルニアとハワイの中間には『ホットスポット』と呼ばれるホホジロザメ・カフェがあるそうですが、なぜそこにたくさんのホホジロザメが集まるのかは、まだわかっていないそうです。

また、南アフリカのホホジロザメのグループは、インド洋を渡ってオーストラリアまで移動する時に潜ったり浮いたりを繰り返し、時には水深800mから1000mのまで潜ったりしながら移動していることは調査でわかっているそうです。

いったいなぜそのようなことをするのかは、まだわかっていないそうです。
ホホジロザメのことは、今後も各国で発信器などをつけて調査を続けていくようで、その生態などが少しずつ明らかになっていくのだと思います。

今回の映像や田中先生のお話から、サメは『危険な生きもの』と思われがちですが、世界中の海に生息する普通の生きものとして、その魅力を受けとめていきたいと思いました。

(勝田麻吏江)


<第3部>ホホジロザメの目は黒じゃなくて、青いんだ。

日時 4/2(土) 15:00
場所 豊島区民センター(コア・いけぶくろ)
東京都豊島区東池袋1-20-10
対象 :一般
参加費:JCUE会員無料、 学生 無料(登録している学生のみ)、 一般¥1,000
テーマ:『 ホホジロザメの目は黒じゃなくて、青いんだ。 』
プログラムアウトライン

第37回マルセイユ国際水中フェスティバルの受賞作品を上映し、ホホジロザメの追跡調査ほか、北西太平洋における分布などを研究された田中彰先生をお迎えしてお話を伺います。


講師プロフィール

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田中 彰(たなかしょう)

東海大学海洋学部海洋生物学科教授。
農学博士。
専門分野は海洋動物学、資源保全生物学。
高校時代から自然環境や海洋生物に興味を抱き、大学院入学後からサメの生活史や生態について研究し始め、駿河湾ほか世界各地の沿岸から外洋・深海域に生息するサメ類を40年にわたり研究を行っている。
 
日本板鰓類研究会副会長。
国際自然保護連合(IUCN)種生存委員会サメ専門家グループ北西太平洋地区メンバー。
「深海ザメを追え」(宝島社)、『THE DEEP SEA 日本一深い駿河湾」(共著、静岡新聞社)などの著書あり。


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