山内 まゆさんが薦めるこの一冊
『失われたサンゴ礁が警告する沖縄の未来』
サンゴ礁のイメージは、南国の透明度高くカラフルなサンゴ礁が広がる魚湧く沖縄の海を浮かべる人は多いでしょう。私がダイビングを始めた1980年代は、「沖縄=サンゴの楽園」という方式が普遍的なものだと信じていました。しかし今では、その10分の1まで激減しているという事実。
今回ご紹介する本の著者である、フリーライター千葉日々魚(ちば ひびな)さんは、2004年にCカードを取得し、沖縄本島でのダイビングで荒れ果てたサンゴ礁の海に衝撃を受ける。そこから、何故、サンゴ礁が激減しているのかをノンダイバーに伝えたい一心で、調査・取材を開始する。そして、10年の歳月をかけて書き上げた入魂の一冊です。
地球温暖化、陸域問題(内陸問題)、沖縄開発、海水酸性化、サンゴ礁再生等、幅広い視点から問題点を見出しています。失われたサンゴ礁から、沖縄の未来を導き出せるのか?人間活動が及ぼすマイナスの影響は、自然と共存が可能なのか?を深く考えさせられ、沖縄だけの問題ではなく、日本の海・陸の問題を孕んだものであると気づかされました。ダイバーはもちろんの事、一人でも多くの方にお勧めしたい一冊です。
失われたサンゴ礁が警告する沖縄の未来
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(幻冬舎ルネッサンス新書) 新書 – 2018/11/8
千葉 日比魚 (著)
800円+税
ISBN 9784344910065