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武田 美亜さんが薦めるこの1冊

「かわいい」と「正しい」が共存する、稀有なサンゴ絵本。
サンゴ礁の1日を眺めながら、サンゴやサンゴ礁の生き物に詳しくなっちゃえます。

魚やエビカニはかわいらしくデフォルメされていますが、架空の模様や形ではなく、ダイバーや魚に詳しい人が見れば種同定ができるほどの正確さです。
本の中ほどに折り込まれた大きな絵は圧巻!サンゴの隙間や陰に生き物を探し始めると、本当に海の中にいる気分になれます。

新型コロナウイルス感染症対策で水中ガイドさんですら1ヶ月以上海に潜れていない方も多い中、この絵本を見ていると、潜りに行かれない禁断症状が少しおさまります。

サンゴの描き方も要注目です。 色、ポリプの触手の数……どれだけ気を遣って描かれていることか! よくあるサンゴの絵はパステルカラーで見栄えよく作られていますが、本当ならばそれはあまり健康でないサンゴの色です。
本書では,絵としての綺麗さ(売れ行きにもかかわる)を取るか、生物の説明としての正確さを取るかでひと悶着ありつつ、ただ綺麗さだけを追求することも正確さだけにこだわることもしなかったそうです。

さて,その悶着と苦労の結果、サンゴがどんな色で描かれているのかは……実物をご覧ください。 絵だけでなく、巻末の方には詳しい解説があります。そちらも面白く楽しいので必見です。

武田 美亜
2020年5月11日 記述

サンゴといっしょ すいぞくかん

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書籍名 サンゴといっしょ すいぞくかん
ISBN 978-4-7520-0894-1
絵・ともなが たろ
文・なかの ひろみ
発行所・アリス館

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