過去の歴史に思いを馳せながら水中を旅する、遺跡カメラマン山本さんが語る。
“なぜ”この海底に?!

日本で初めて海底遺跡に指定された福岡県『鷹島』、
『熱海初島』で見つかった葵の御紋のある江戸城用の瓦等など、
当時の時代背景や人々の暮らしに夢と想像は膨らむ!

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この記事はnoteでも見る事が出来ます、内容は同じとなります。

開催概要

  • 講師 山本 遊児
  • 日時 2015年6月10日(水)19:00~20:30
  • 場所 M&B 池袋西武横店
  • 参加費 JCUE会員無料 / 非会員 500円

講師紹介

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山本 遊児(やまもと ゆうじ)福岡在住
水中文化遺産カメラマン
アジア水中考古学研究所(ARUA)研究員
水中考古学研究所会員
東西諸島水中文化遺産研究会員
IRIAE 研究員
パリダカールラリー写真集・写真展
水中文化遺産写真展
月刊ダイバー「水中考古学」連載
2014年グットデザイン賞受賞

開催内容

参加人数:26名(内JCUE会員 19名)

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水中文化遺跡カメラマン

水中文化遺産カメラマンの山本遊児さんから水中文化遺産について、写真を見ながらお話をうかがった。
20年前にアジア水中考古学研究所の林原さんに出会い、20年間水中遺産の写真を追いかけていた結果、2014年には沖縄県立博物館で水中遺跡展を行う時に、写真展を同時開催されている。

水中遺跡・水中考古学

山本さんいわく水中考古学・水中遺跡には2つの面があり、1つは学問で1つはトレジャーハンター。
この2つはまったく別物で、トレジャーハンターは泥棒であり、山本さんたちはまったく関わっていないそうだ。
学問としての水中考古学では、水中遺跡は基本現状保存で、よっぽどのことない限り引き揚げないとのことだ。
様々な過去の生活のなぞを解き明かす遺跡を紹介していただいた。

国内各地の水中遺跡

福岡県『鷹島』:日本で初めて海底遺跡に指定された遺跡。

久米島『はての浜』、長崎県五島列島『小値賀』:400年前明代の茶碗や皿が発見されている。

『琵琶湖彦根沖』:石灯籠のパーツや磁器片、陶器片が見つかっている。

『博多湾』、『熱海初島』:瓦が発見されている。

『博多湾』:瓦は、1000年位前に平安京を造る時に集められたもので、当時の瓦は貴重品で寺院か役所でしか使われていなかった。

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『熱海初島』の瓦には、葵の御紋があり、江戸城用の瓦だ。江戸時代の初め、まだ江戸で瓦を作っていなかったため、大阪から瓦を運ぶ途中に沈んだものと思われる。

『五島列島小値賀』:13個の錨石が発見されている。中国製の錨石で、相当数の船が来ていたことがうかがえる。

『石垣島屋良部』:四爪の和船用の錨が見つかっている。シャフトが四角いものが古く、ダイバーでも見つけやすいと思われる。

『与那国』:昔の帆船が利用した巨大な錨が沈んでいる。

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『土肥神社』:同様の帆船の錨、幕末から明治初期のものが飾ってある。戸田造船資料館には、ロシアのディアナ号の錨があり、大きさは4mもある。

『土佐清水』:大きさ50cm~2mの石材が多数見つかっている。陸上の構造物が津波で流されたのではないかと予想されるが、文献がないため何とも判断がつかない。

『小田原石橋』:「矢穴」のある石材が多く見られ、江戸城の石垣用に伊豆半島から運んだものだ。

『沖縄国頭村宜名真』:オランダ墓があり、オランダの船が沈んだと伝えられていて、付近には石材が使われている。水中にも石材があるかと調査したところ石材はなく、茶碗が見つかった。

『沖縄本島東部』:船のパーツと薬莢が発見されている。調査はこれからで、水中遺産がある場所として開発してはいけない地区に指定されています。

『瀬戸内海』:船の残骸とともに多量のレンガが見つかっている。近くには石炭もあり、明治中期のもので石炭を動力としていた船と考えられる。

戦争遺跡

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『沖縄県古宇利島』には、太平洋戦争時の掃海艇「エモンズ」が沈んでいる。

水中文化遺産は100年前後で「文化遺産登録」される場合が多いが、沖縄県では戦争遺跡は貴重なものとして、「埋蔵文化財」として指定されている。

遺族の方もいらっしゃるので、戦争遺跡は難しい問題を含んでいる。

アメリカの船は、他国の領海内にあっても所有権はアメリカが持っているので、自由に引き揚げることができる。

しかし、日本の場合は昭和20年にすべての所有権を放棄しているので、大和も武蔵も所有権は連合国にあり、日本が引き揚げる事はできない。

水中ミュージアム

『小田原根府川』の水中には、関東大震災の津波で流された、駅のプラットホームと汽車の残骸がある。

水中文化遺産にはまだ登録されていないが、陸上の調査も行い、連続性を水中で確認している。

ここは誰でも潜ることができる場所だ。

アジア水中考古学研究所(ARIUA)では、このような水中遺跡を、「水中ミュージアム水中の博物」として、みんなに見てもらいながら、守っていこうと考えている。

「水中ミュージアム」は研究機関・漁協・教育委員会・ダイビングショップが協力し合い、情報を共有認識し、遺跡を守り、有効活用する必要がある。

ダイバーの協力と今後の展望

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ダイバーの皆さんからの水中遺跡の情報を集め、調査研究し、遺跡と確認できれば「水中ミュージアム」としてみんなで楽しみながら、守って行きたいと思う。

水中遺跡に関する情報提供を、水中を直接観察できるダイバーの皆さんに、お願いしたい。

情報提供のお願い

水中文化遺産、特に沈没船や沈没した人工遺物は、底引き漁や潜水漁などの漁業、仕事や趣味でのダイビングなど、水中考古学とは違う活動中に偶然に発見された例が多いのです。

もし、海から遺物が引き上げられたり、海底で遺物を発見したり、あるいは海岸に遺物が漂着したという情報がありましたら、当研究所までご一報ください。

また、ダイバーの皆様におかれましては、ダイビング中に遺物に遭遇しても、撮影するにとどまり、動かしたり、陸上に引き揚げたりは、絶対におこなわないでください。

※アジア水中考古学研究所(ARIUA) http://www.ariua.org/about/  お問合せフォーム

報告 JCUE事務局




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