【開催報告】「体験型ファシリテーションセミナー」
~ファシリテーションってホントはなに?~

目次

2020/2/15(土)に開催されたJCUE会員限定のセミナーは、大人気ファシリテーターのマーキー青木さんこと青木将幸さんをお招きし、参加者みなで体験するセミナーを開催致しました。ファシリテーションって何だか知っていますか?今や小学校などでは、ファシリテーションの授業があると伺い…驚きを隠せませんでした。この技術、知っていて損はないというより、「知らなくては勿体ない!」なものなのです。

はじめに

人が何か集まってやろうとするときに、必ず会議やミーティングを行います。その会議の進行役を、ファシリテーターと呼ぶことがあります。

会議って、『だらだら無駄な時間が多い』『意見を言う人が同じ』『何も決まらず次回…』なんてことも多いですよね。そんな時、ファシリテーターが皆の意見や魅力を引き出して、調和のとれた場を作り、意見の整理、判断、満足する結果へと導いていきます。今回は、そんなファシリテーションを『JCUEの会議』を想定して、体験してみました。

「よい会議・イマイチな会議」のワークショップ

セミナーは、まずはマーキー青木さんの自己紹介から始まりました。
「質問・発言なんでも、いつでも歓迎!」と、ホワイトボードに書き込みながら、その都度、受け付けます~と笑顔で話されました。今後やる会議がなるべく、イマイチな会議が減って、よい会議が増えるようにお手伝いをしたい!と、ワークの目的を明確にしてから始まりました。

A4の紙×2枚、マジック1本を全員に配り、用紙の真ん中に、縦線を書き込み、左に「よい会議」、右に「イマイチ会議」と書き込みます。

  1. Step 1: 個人の意見を書き出し
    • 皆さんが考える「よい会議」と「イマイチな会議」のイメージはそれぞれどんなイメージでしょうか?あれは良い話し合いが出来たな!という時もあれば、ちょっとあの会議は要改善だな~と、それぞれの私のイメージで結構ですので、3~5つくらいA4の紙に書いていただきます。
  2. Step 2: 小グループで意見交換
    • 皆さんの人生経験や考え方によって結構違いがあります。近くに座っている方と3~4名で組んで、それぞれの書き出した会議イメージに対する意見を、5分くらい話し合ってみましょう。
  3. Step 3: “合意”の印、ハナマルをつける
    • 今、皆さんで話した中で、「そうだね!」と思うものに、ハナマルを付けて下さい。その場にいた皆が頷けるというのは、会議の専門用語では“合意”と言います。グループ内で出た意見の「良い会議・イマイチな会議」の合意できる点を5分ほど探してみましょう。

  4. Step 4: 各グループの発言“合意”を書き出す
    • 各グループで、合意がとれた結果を書き出しながらまとめていきましょう。皆が了承してくれたと言う事は、上から降りてきた(押付けられた)ものとはちょっと違います。自分たちが望んでいる会議をホワイトボードに書き出してみましょう。

  5. Step 5: 投票する
    • 各グループから出された、よい会議の意見をリストアップしました。この中から、私自身が「これが大事」と思う意見を一人3つ選んで投票していただきます。今回は、ホワイトボードに直接、丸をつけて投票し、たくさんの人が投票した項目が大事だというのが判ってきます。

ファシリテーション技術と解説

  1. Point 1: 個人で書いてから集団で話し合う
    • まずは、個人の意見を出す事が大切です。例えとして、雪合戦を思い浮かべて下さい。玉を一個ずつ握っていると、一気にやられてしまうが、ある程度、用意しておけばスピーディーに連打が出来る。会議においても、スピーディーに進める事が出来ます。発言の玉を準備することにより、普段は意見を言わない方でも、意見が出てくるのでとても効果的です。
  2. Point 2: 少人数で話し合う
    • 参加者が多い場合は、この時間が非常に有効となります。大人数の場合は、人前で話すというハードルがあります。そこで、小グループ(2~3名)で話し合いをしましょうと言うだけで、たくさんの意見が出やすくなるのです。この技術は、会議が停滞した時や、皆の意見が出なくなった時などにも有効です。
  3. Point 3: 何に合意したのか?を明確にする(ハナマル)
    • 会議で「意見を出した」と言うのと、「合意をした」というのでは次元が違ってきます。これは、あの時の会議で話しましたねと言っても、「言っただけ」では流れてしまいますが、何に合意したのかを明確にして会議を終わると、実行に繋がりやすくなります。会議の終盤として、特に結論としては何に合意したのかを明らかにしていくのが大切です。そのためにも、投票が必要となります。
  4. Point 4: 投票を促して全員で意向確認をする
    • 投票をすることにより、合意がはっきりとします。投票数が多いものから、話し合いを進めていく事ができます。今回は、ホワイトボードを使った投票を行いましたが、このような道具が無い場合は、手の高さで投票をすることも出来ます。挙手は、0か100ですが、その間の空間を使った挙手をおこないます。
      「〇〇の提案について、100%良いと思った方は高く手をあげて下さい。どっちもどっち50/50だと思えたら水平に、それはちょっと危険だと思ったら30%の高さで、絶対反対だと言う場合は、手をあげず…といった感じで意向確認をして下さい。」という方法です。これらは、腕の角度で表現するグラデーション挙手といいます。
  5. Point 5: 発言を板書する
    • 板書はとても有意義だと思っています。ライブ感もあり、皆の意見を書く事により、今どんな意見が出ているのかが見え、まだ出ていない意見を皆が確認できたりします。また、この時点から参加した人が現れたとしても、板書内容を見れば「今、ここまで意見が出ていますよ」というように、キャッチアップしやすい。
      板書の注意点は、なるべく発言した当人の言葉遣いをそのまま書いてあげます。板書する人が他の言葉に替えてしまうと、ニュアンスが違ったり、ちょっとした言葉遣いに気持ちを込めている人がいます。板書というのは、「あなたの意見を聴きましたよ、受け止めましたよ」というサインでもあります。
      意見を板書すると言うのは、皆が参加したり、ついて行けたりするのに役立つので、非常にお勧めです。

 この体験を通し、「よい会議」とは、どんなものだろうという意見が色々と出ました。会議は何のためにやるのか?決まって実行につながるのが良い会議!そのために議題を明確にし、皆が発言しやすい雰囲気を作り、進行役がしっかりし、時間内に終わる、これだけ出来れば、非常に良い会議になります。会議は、10人集まったら10人分の時間を消費します。無駄な会議をするという事は、本来、活動につかえる時間やコストを奪う事になります。だからこそ、なるべく良い会議になるように工夫ができると良いですね。

今回の体験を通して、疑問・質問、こんなのが出ました(抜粋)

『今日は、A4の紙を使用しましたが、付箋を使ったりする場合の会場の規模や時間等は変えたりするのですか?』
付箋を使う場合の適している人数は、5~6人が丁度良いサイズです。10人を超えた場合は、付箋だと見えにくくなるので、大きいホワイトボード、模造紙、あとは全員にクリップボードを配ったりもします。サイズが大きいので皆に見え、コミュニケーションしやすいものを選びます。A4やA3の紙など、どこにでも手に入るサイズの紙でやるといいですね。
『ファシリテーターというものが、今回の体験でもの凄く実感できましたが、多くの場合、ファシリテーターという立ち位置専任でやることは少なく、自身も当事者となって会議に出席することが多いと思います。その場合、どのような進め方がよいのでしょうか?』
自身も利害関係がある会議での進行役を行うと言う事ですね。利害関係がある場合は、非常に難易度が高くなります。進行役の人が、中立性を失うと「自分の持って行きたい方向に引っ張っているだろう」と批判にさらされることもあります。その時は、「自分は進行役を行います。途中で中立性を失ったら指摘をして下さい。」と、ひとこと断りをいれてから始めると良いと思います。中立性をある程度、保ちながら行うことにより、皆が気持ちよく参加しやすくなります。
『会議の進行時、時間管理はどのように考えてやるのが良いですか?』
会議室に時計が無いことが結構あり、皆が時間を見失いがちになります。よって、自分は小さな時計を持ち歩くようにしています。時々、現在の時刻や残り時刻を皆さんに伝える事は有効になります。
「本日は、16:30までなので、残り15分ですね」と伝えたりしますが、残り15分しかない時の立ち振る舞いと、残り何時間もある時では全く違うのです。参加者全員が残り3分、アディショナルタイムを含めても5分だ!これをどう攻めるか?という意識を持つためにも、現在時刻と残り時間を時々、伝えるのは非常に大事な事です。

まとめ

 今回は、体験型ということで参加した会員が『ファシリテーションって何?』を実体験しましたが、ステップごとに何をすべきかが明確にされ、皆が具体的な意見を出すことにより、多くの意見や課題が集まりました。ワークを進める中で、普段とは違う雰囲気が漂い“侃侃諤諤”と活気ある声が部屋中を渦巻いており、効果を実感いたしました。
 マーキーさんのワークは内容も面白く、「ハッ!」と気付きをもたらし、刺激をいっぱい受けるのですが、1度体験したから直ぐにマーキーさんの如く技術を使いこなせる訳でもありません。何度も経験を重ね、自身に落とし込まないといけないなと思いつつ、ものすご~く深い世界だと感じました。今回は、ファシリテーションのいろはの「い」を覗かせて頂きました。今回、教えて頂いた5つの技術は、どんな場面でも使えるものです。是非とも、皆で活用をしてゆきましょう。

報告:山内 まゆ

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