野外活動や自然体験活動の保険を主に扱う保険代理店「オフィステラ」代表の町頭隆二氏に講演いただきました。
保険の基礎知識として、リスクマネージメントの手順の中で保険が役立てる部分、ダイビング活動で必要となる傷害保険と損害賠償保険の説明、実際の保険の運用時の事例を元に具体的な状況を紹介いただきました。
参加者がケガを負った場合、責任の所在に関わらず保険金が支払われる傷害保険。
低体温症や熱中症、ガス中毒は支払われるのか?
ガス中毒は支払われるが、低体温症と熱中症は支払われない。
減圧症は、通常の浮上で発症した場合は支払われないが、器材のトラブルやパニックで急浮上した場合は支払われる。
保険会社への報告の仕方によって、支払われるかどうかが変わることもある。
参加者がケガを負った場合、その原因が主催者側にあると判断され法律上の賠償責任を負担する賠償責任保険。
法的な判決が必要となるが、保険会社が認めた示談も支払われる。
残念なことに、自動車保険についている示談代行サービスはついていないので、事故発生時の対応は個人で行わなければならない。保険代理店や弁護士のアドバイスが重要となってくる。
事例の紹介では、スノーモービルでタイヤチューブの乗せた子供を引くプログラムで、タイヤチューブが木立にぶつかり、乗っていた子どもが死亡したケースでは、動力を使うプログラムは契約内容に含まれていないため、保険が適応されない。
活動内容が保険に含まれるかどうか、保険代理店への確認が必要です。
実際の事故事例から、遺族への謝罪やお通夜への参列について、弁護士のアドバイスの下どのように行われたのかという紹介もあった。
事故毎に状況も異なるため、事故毎に対応は変えなければなりません。
今回は、保険の基本と、実際の運用を学ぶ機会になりました。
保険については、一通りのことは理解しているので、大丈夫と思っていました。
しかし、日常活動で使うことではないので、改めて保険の知識を整理することができました。
事故は状況により対応が異なるという点では、保険代理店とコミュニケーションを行い情報共有しておくことが重要なことであり、いざという時のために、JCUEに顧問弁護士がいることの重要性を痛感しました。