毎年開催される潜水医学講座小田原セミナーは、今年は品川にある東京海洋大学で開催された。
小田原で開催されるよりも参加されやすい方も多かったことだろう。
半日かけて医学・安全に関する4つのテーマをまとめて聴講できるこのセミナーはダイバーにとって有意義なセミナーである。
来年は小田原での開催の予定らしく、どんなテーマで話が聞けるか楽しみである。

目次

1部「ダイビングを行う上での注意点について」

社会医療法人社団順江会江東病院 副医院長 三浦邦久

ダイビングを行う上での医学上の注意点を、気胸や一過性脳虚血発作、高血圧、糖尿病、ヒートショック等を潜水医学に深い知識のない方でもわかりやすく丁寧に解説された。
潜水のメディカルチェックの項目でチェック須がつく可能性があるダイバーや管理するインストラクターにとっては有意義なセミナーになったはずである。

2部「減圧症を含めたドクターヘリの緊急出動とその運用」

順天堂大学医科大学付属静岡病院救命救急センター フライトナース 鬼塚味佳

ドクターヘリの説明、ヘリ内部や搭載医療機器について、活動実態の説明、地域では見られない 地域の消防とダイビング関係者 海上保安庁と合同訓練が行われており、患者の状況と医療機関をつなぐために事故チェックリストの重要性やその問題点を考慮しつつ進化したり現場の啓発もおこなっていた。
現場での救命のスキルやシステムも重要であるが、医療機関と連動するために何をするか?改めて搬送までを考えたアクシデントマネージメントも大切を感じた。

3部「スノーケリングにおけるヒヤリ・ハット 意識調査から見た事故分析」

筑波大学高度競技マネジメント研究会 体育系研究員/東京海洋大学大学院 高野修

スノーケルを使った事故を原因や予防について演者が集めたデータをもとに解説され、基礎講習やバディでの活動の重要性を伝えられた。
スノーケリングは浮力状態やフィンの有り無しなどによってリスクの程度が全く違うので、装備の違いによる事故のデータも今後の集積に必要であろう。

4部「潜水と頭痛」

防衛医科大学校脳神経外科 和田孝次郎

「潜水に関連した頭痛」「危険な頭痛」「頭痛薬とダイビング」について
頭痛の9割程度が基礎的な病気の無い一次性頭痛(片頭痛と緊張性頭痛)であり、ダイビングの取り組み方やそれ以外の危険な頭痛やダイビングによって発生する頭痛、各種医薬品のダイビングへの影響に解説された。
頭痛は多くの人が悩まされるものであるが、ダイビングと頭痛の付き合い方が整理された講演であった。

開催概要

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