「AHA2010の改定からレスキューを考える」
2012年4月6日(金)10:00~16:30 於、池袋区民センター会議室
AHA 米国救急ガイドラインの2010年改訂を受け日本の救急ガイドラインも改訂されたが、ダイビングレスキューガイドラインの必要性とその作成につい て今後の方向性を検討する会議JCUE会長の進行で、JCUE会員のベテランダイビングインストラクター他、ライフセービングやフリーダイビングや、 PADIのガイドラインの現状をきき、参加者30名弱で議論された。 「月刊ダイバー」の記者さんも取材に、5/10発売6月号掲載予定。
<招待客からの発表>
救急ガイドライン2005と2010の変更点
DANJAPAN TrainingDirector 野澤 徹氏
・一般市民が救命活動に躊躇しないよう。→見て聴いて感じてを廃止、気道確保
・人工呼吸も廃止、胸部圧迫を速やかに開始。
・医療従事者と「一定頻度者」(ダイビングインストラクターはこれに該当?)は、一般市民とは異なる手法で!! ・「呼吸原生」(溺水、おぼれの場合)は、胸部圧迫だけでなく、人工呼吸を行う。・・・
(注)ここは、従来通りである!!
(今般の改訂を誤って理解しているインストラクターがいる??)
・その他、救命の連鎖に予防が追加、
かなりの頻度で発現する死線期呼吸の強調と人工呼吸・胸部圧迫の必要性
。 ※呼吸がないと判断された場合、溺水ダイバーにはレスキュー呼吸が必要であるということはAHA2005の改定の時からも、2010改定になっても変わっ ていない。AHA2010のガイドラインは2005の改定部分だけが記載されているので、変更点だけみて判断してはいけない。
2.フリーダイビングにおける、レスキューの現状
JCUE会員熊澤氏他、元海保・看護師、水安指導員のフリーダイバー2氏。 ・
競技選手への監視態勢下でのブラックアウトなので、気道確保、意識回復後は酸素投与のみ行っている。
ブラックアウト直後は気道を確保し、安静にすることで呼吸が再開するケースがほとんど、
この状態で再開しないと判断した場合レスキュー呼吸を行うブラックアウトの状態は呼吸があるのか?呼吸再開の手法など今後の医学的検証の必要性を実感した。
・安全体制は大会などで経験的に行われており、レスキューガイドラインはない。
3.日本ライフセービング協会 G2010対応 CPRガイドライン2010伝達研修会より
環境教育担当理事 座間吉成氏
・一般大衆が救助対象者である。
・ボード・チューブ・ジェットスキーなどを駆使し迅速に陸に搬送する。
・神奈川の例ではジェットスキーを使用した場合、砂浜まで1分ちょっと!!
・陸への引き上げ後もCABではなくABCで対応してく予定である。
・器材を利用して水面での吹き込みも可能
4.PADI「水中で実施する蘇生方法に関するガイドライン」
浜松ダイブテリー代表 我妻亨(ワガツマトオル)氏
●安全な場所へ5分以内(5分という時間は教育伝達の為の基準で医学的なエビデンスによるものでない)に移動できる場合
2回のレスキュー呼吸(吹き込み)、5秒に1回のレスキュー呼吸をしながら、
周囲の状況、救助者の能力、アシストを利用して安全な場所へ移動移動や喚起に対するその他の反応について調べながら換気を続る。
●安全な場所へ5分以上(5分という時間は教育伝達の為の基準で医学的なエビデンスによるものでない)に移動に要する場合
・移動やレスキュー呼吸に対する反応があれば、レスキュー呼吸をしながら安全な場所への曳行を継続する
・移動やレスキュー呼吸に対する反応がなければ、ダイバーはおそらく心配停止である。レスキュー呼吸を止め、できるだけ速く安全に事故者を曳行してエキジットしてから循環の確認をして、そして必要に応じてCPRを開始する。循環があれば、レスキュー呼吸をふたたび始める
<ワークショップ >
・班ごとに今までの内容を受けてレスキュー手法を検討検討
(ルール:続けて2分以上話さない、人の話に割り込まない、人の話にじっくり耳を傾ける、最後まで聞く、ひとつの考えにこだわらない、楽しく肯定的に)
<各班ごとに発表全員でブレーンストーミング >
浮力の確保、チームの連携、口から水が入る!と気管が閉塞し吹き込みしても入らなくなる、救助者の能力に応じた救助方法の違い、などなど
ダイビングレスキューガイドラインは是非必要という意見の他に、PADIなどであるのだから不要という意見もあったが
全員で レスキューガイドラインの必要性が強く希望された。
そこでガイドラインを作るとなると
資金、人材、今後の展開などについてなどを全員でブレーンストーミング
ガイドライン作成には医学的件検証
ガイドライン作成には多くのダイバーを使って実技検証の必要
静岡県のダイバーズ協議会やMINDERとの協力が得られそう
資金が必要JCUEで事前に助成金の可能性も探ったが、この活動に社会性が求められる。
< 今後。。
ガイドライン作成に賛同した数名の有志の方で、プロジェクトを結成しすすめることとなった。
・今回の会議の結果はJCUEのホームページにて報告する。